宙組日記

Tumblrから移動しました。読んだ本や、観た映画を記録していきます。

【映画】#07 風の谷のナウシカ

 

風の谷のナウシカ

1984年 日本

監督:宮崎駿

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#一生に一度は映画館でジブリ

 

 

作品順的には、「もののけ姫」を観る前に「風の谷のナウシカ」を観た方が更に良さが響いたかもな。まあどんな順でいつ観ても全てが素晴らしいのがジブリ作品であるが。(笑)

 

あくまでも私個人の感想として「風の谷のナウシカ」の方が、人間が 完全悪 として描かれている様に思う。

 

もののけ姫」では、人間には人間の考えや事情があって、自然には自然の、動物には動物のそれぞれの立場があって、何が悪いとか正しいとかがない世界観だった気がする。そこから共存の難しさや大切さを感じた。

 

 

ただ、「風の谷のナウシカ」ではもう少し事情が単純化しているようにも感じた。

人間が焼き払おうとしている"腐海"は、一見悪い存在に感じるが、実は森を綺麗にする為にあったもので、"腐海"の原因とされている胞子は汚染された土を綺麗に浄化していた。そして虫達はその森を守っていた。そんなことも知らず人間は、胞子を焼き、腐海を焼き払い、虫を殺した。

 

目先の事しか考えていない 優しさがなく 愚かで 表面だけみて都合の悪いものは排除しようとする。言い過ぎかもしれないが、自然や生命を容赦なく破壊する姿は酷く醜い。

 

 

 

ジブリ作品には余白がある。全てを分かりやすく描くのではなく、何か抽象的な、答えを明確に示さない、観た人達の考えで自由に想像をして良い余白があるように思う。だからこれだけ多くの考察や仮説が飛び交うのだろう。

 

 

観終わった後、私は思った。

自分の正義だけで世界を見渡すのではなく

異なる立場を想像してあげること。

何でも簡単に発信できるようになった世界で 自分の正義だけで 本質も知らずに突き通す事は 憎しみを生むだけだ。

 

 

スタジオジブリ作品は 考えさせられる。

 

【映画】#06 もののけ姫

 

もののけ姫

1997年 日本

監督:宮崎駿

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#一生に一度は映画館でジブリ

 

私はスタジオジブリ作品が大好きであるが、その中でも群を抜いて好きな作品が「もののけ姫」である。

 

 

スタジオジブリ作品は話のあらすじは簡潔な様だが実は物凄く奥深い。1つ1つの言葉や表情、登場人物や風景描写、全てに深い意味がある様だ。だからハッキリ言って自分自身、作品の良さを100パーセント理解しきれていないと思う。だがしかしそこが私は好きなのだ。そして何度観ても飽きない所以だ。

何度も何度も小さなTV画面で見尽くしたこの作品を映画館で観れる時がくるとは思わなかった。1週間のうちに2回も映画館に足を運んできた。

 

ストーリー云々はとりあえず置いておいてあの大きなスクリーンに大音量の迫力は、「もののけ姫」の世界観を何倍にも映えさせこれでこそ  一生に一度は映画館でジブリを というキャッチコピーの価値が滲み出ている空間であった。

 

紛争や自然との共存のみならず身の回りにある小さな人間関係1つとっても人生は本当に一筋縄では行かず、難しいものである。

対立というものは簡単に解決することはできない。それぞれがそれぞれの価値観を抱いている。

 

そこに正しさや間違いはなく善悪を決める必要もない。誰も正しくないし誰も悪くない。

その中で只管に善悪を問わず生命の共存を求め、1人ブレずに行動し続けるアシタカの姿は眩しく美しく逞しく私の心を何度も撃つ。

 

何かにつけて善悪をつけたがる現代の世の中に埋もれた私の心を何度も射抜くのだ。

 

今でこそこの作品をみて

ハッと目を覚ます時だ。

 

 

【映画】#05 バック・トゥ・ザ・フューチャー

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー

(Back To The Future)

1985年 アメリカ合衆国

監督:ロバート・ゼメキス

主演:マイケル・J・フォックス

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投稿が遅れてしまったが、6月の金曜ロードショーで3週連続「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を放送していた為、3週連続で観た。

 

 

多くのバンドマンがインタビューでよく、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の名前を出していた。だから名前は知っていたものの、どんな映画か全く知らなかった。

 

30年程過去に戻る「Ⅰ」

30年程未来に行く「Ⅱ」

130年程過去に戻る「Ⅲ」

 

どれもこれも本当に面白かった。

これが40年程前に公開された作品というところがまた面白く、かなり夢を膨らませられる作品である。

 

"未来と過去、どっちに行きたい?"というトークテーマは、"宝くじがあたったら何に使いたい?"というテーマくらいに王道で、誰しもが1度は話したことあるテーマかと思う。

 

それくらいに人は、現状を知ったまま過去に戻って、後悔を無くし、完璧な人生を送りたかったり、未来に先回りして情報を集め、戻ってきた"今"を完璧に過ごしたいという欲があるのだろう。

 

でも、バック・トゥ・ザ・フューチャーを一通りみて思う。

 

ドクが言っていた通り、タイムマシンなんて、デロリアンなんて、無い方が良い。

良いことも悪いことも、全て重なって、唯一無二の今がある。

 

過去が少しでも変わったら、今の幸せは手に入らないのだ。悩みがある人も苦しい人も、過去を変えたからといって幸せになれるとは限らないし、未来を知れたところで絶対に幸せになれる保証なんてない。

 

結局は、変えられない過去の積み重ねと、これから何でも自由に描ける白紙の未来があるからこそ、人生は素晴らしく楽しいものなのだ。

 

 

夢膨らませられるのと同時に、

この世界は、幸せだなと思える作品である。

 

 

 

【映画】#04 『ワンダー 君は太陽』

 

ワンダー 君は太陽

(Wonder)

2017年 アメリカ合衆国

監督:スティーブン・チョボスキー

主演:ジェイコブ・トレンブレイ

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開始15分で涙が出た。

ストーリーの流れはもう想像つくのに涙が止まらなかった。

 

「人をいたわれ。みんなも闘っている。相手を知りたかったらやることは1つ。よく見ること」

 

この言葉は、他の映画でなく、この映画だからこそ響く言葉。

 

何事も、勝手に自分の中で解釈して決めつけて周りを悪く言うことってある。でも一体真実はなんだろうか?と自分で確かめることが情報過多の現代には大切な気がする。

 

とにかく、主人公のオギーに、ものすごく勇気を貰った。ちょっとやそっとのことでくじけてられないな。しっかり自分の芯を貫いて生きていきたい。オギー、最高。

 

【本】#11 『自己プロデュース力』

『自己プロデュース力』

(著者:島田紳助

ヨシモトブックス

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私は島田紳助が大好きで、この本を手に取った。

 

内容は主に、新人漫才師に向けた言葉だが

漫才師じゃなくとも、響く言葉は沢山ある。

 

そりゃ、あれだけの人になるわ。と納得する程の努力の方程式が書いてあった。

才能もそりゃあるが、彼の努力はものすごい。

 

モチベーションがめちゃくちゃアガる1冊……。

 

世の中の流れをしっかり分析していかなければ。

【本】#10 『ふたご』

『ふたご』

(著者:藤崎彩織

文藝春秋

 

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筆者の藤崎彩織さんは、本当に、常日頃から自分自身の内なる言葉に意識を働かせ、映る日常を良く見ているなと思う。

だから、表現の一つ一つが想像しやすく、リアルで、脳内に情景がカラーで浮かんでくる。

 

だから余計に、月島が過ごしてきた絶望的な人生もそれをすぐ側で見てきた夏子の苦しみも、絶望から這い上がる月島と周りの人間の素晴らしさも、それと比べてしまう夏子の焦燥も、手に取るように想像が出来て、一緒に涙して、苦しんで、喜んだ。

 

これが、実際にあった話のほんの一欠片なのかなあと思うと、私も何だか焦ってしまう。

 

そう、夏子の様にね。

 

常識に縛られたつまらない人間になっていないか?

本当に自分は必要とされているのか、頑張れているのか?

頑張れていなくて苦しんでいる人の事を怠け者だと思っていないか?

 

 

この本を読むのは3度目くらいだけど、この本を閉じた後に『エデン』を聴いて涙を流したのは初めて。

是非、色んな人に読んでもらいたい……。

【本】#09 『空の走者たち』

『空の走者たち』

(著者:増山実)

出版:ハルキ文庫

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2016年の春に、入院する時に購入した本。

 

もう一度言う、"2016年の春"。

 

結局、その時に読み終えず、真ん中に栞が挟んだままだった。

今度こそ読もうと、4年ぶりにこの本を開けたら、最初に出てきた言葉。

 

 

 

 

『2020年4月18日』

 

 

 

 

目を疑った。

 

これを読み始めたのは確か、2020年4月30日くらいだったから、本当にビックリした。

筆者が描いた未来にきてしまったようだった。

 

 

なぜ2020年かというとテーマが『東京オリンピック』だったからだ。

この4年間、1度も手に取らなかった本を、今このタイミングで手に取った事を少し怖く思う。

きっと神様に読まされている。

 

内容は、実際にあった1964年の東京オリンピックの、円谷幸吉選手にフォーカスを当てた話だ。

本当にあった話と、フィクションが入り交じってる。

そしてこの本を書いてた"過去"と、その時は"未来"だった"現在"が交錯して、凄く不思議な気持ちになった。

 

 

小説の中にも、そういうシーンがある。

2013年を生きる少女・ひとみと、1965年を生きる円谷幸吉が、一緒に話し、走るシーン。

 

ひとみが過去の世界にタイムリープするシーンがある。と、一言で済ましてしまうとなんだかチープなファンタジーに聞こえて悔しいのだが、、、、いや、、本当にすごいんだって、、、。

 

そこでひとみが幸吉から教えてもらうこと。

その教訓を生かして約束のオリンピックの舞台に経つこと。

でも、勿論それは時代が違うから、色んな時空の歪みがあること。

そして、小説は先を行く。

 

2020年6月22日……2020年7月13日………。

 

その小説の過去と未来の間に自分が立ってこの本を読んで、でも"2020年の"オリンピックは誰も予想しなかった事態に巻き込まれ、初の延期となった。

 

 

 

 

【世界はひとつじゃない、とあの日、幸吉はひとみに言った。ここではない「世界」のどこかで、彼は88歳になって生きているのだろうか。】

 

 

そんな一説がある。

 

 

そこで私は思う。

 

 

【世界はひとつじゃない、とあの日、幸吉はひとみに言った。ここではない「世界」のどこかで、ひとみは"2020"の東京オリンピックで走っているのではないか】