【映画】#08 君たちはどう生きるか
2023年 日本
監督:宮崎駿
「君たちはどう生きるか」を観た。
事前情報は母親と友人の「よく意味がわからなかった」だけで、それ以外は何も調べることなく、見てきた。
確かに、言葉の少ない描写や、唐突な場面展開、意味深なセリフ、沢山の気になるポイントがあったが、それら全てに何かしらの意味があるのではないかと集中して考え、探っていること自体がすごく面白かった。
そして、終盤、エンドロールは沢山の涙が溢れた。表現しにくい感情に溢れ、今までに流したことのない種類の涙が頬を伝った。
私には、宮崎駿自身の話に感じた。
塔は、人生。積み木もきっと人生。自分自身が今まで積み上げてきたものが、様々な人、時代、世界と繋がっている。これまでの祖先も、これから生まれる新しい命も積み上げて繋がっていく。自分自身がどういうふうにこれからの人生を生きていくか。一つ一つを誰と積み重ねていくのか。そんなことを考える作品だった。
同時に、宮崎駿の死生観、みたいなものも感じてしまって、長らく続いたこの文化が美しく歴史になっていくことに、寂しさと悲しさと儚さを感じた。ラストシーンは特に。そしてそれを終え、静かに響く米津玄師の「地球儀」がピッタリで、エンドロールに最適で、流れゆくクレジットを見つめながらずっと次から次へと涙が出てきた。
一人では生きれない。誰かと共に生きていく。それがすごく難しい。