【映画】#08 君たちはどう生きるか
2023年 日本
監督:宮崎駿
「君たちはどう生きるか」を観た。
事前情報は母親と友人の「よく意味がわからなかった」だけで、それ以外は何も調べることなく、見てきた。
確かに、言葉の少ない描写や、唐突な場面展開、意味深なセリフ、沢山の気になるポイントがあったが、それら全てに何かしらの意味があるのではないかと集中して考え、探っていること自体がすごく面白かった。
そして、終盤、エンドロールは沢山の涙が溢れた。表現しにくい感情に溢れ、今までに流したことのない種類の涙が頬を伝った。
私には、宮崎駿自身の話に感じた。
塔は、人生。積み木もきっと人生。自分自身が今まで積み上げてきたものが、様々な人、時代、世界と繋がっている。これまでの祖先も、これから生まれる新しい命も積み上げて繋がっていく。自分自身がどういうふうにこれからの人生を生きていくか。一つ一つを誰と積み重ねていくのか。そんなことを考える作品だった。
同時に、宮崎駿の死生観、みたいなものも感じてしまって、長らく続いたこの文化が美しく歴史になっていくことに、寂しさと悲しさと儚さを感じた。ラストシーンは特に。そしてそれを終え、静かに響く米津玄師の「地球儀」がピッタリで、エンドロールに最適で、流れゆくクレジットを見つめながらずっと次から次へと涙が出てきた。
一人では生きれない。誰かと共に生きていく。それがすごく難しい。
【本】#16『20代のうちにしておきたい17のこと』
『20代にしておきたい17のこと』
(著者:本田健)
大和書房
正直、こういうタイトルの本は好きではない。「幸せになるための〇〇個の方法」とか「人生を豊かにする〇〇個のルール」とか、そういう個数が書かれているタイトルが好きではない。
なぜなら、「〇〇個で済むんだ」と自分が安直に考えているみたいに感じるから。
と思っていたのに、本屋さんであまりにもこの本のシリーズがずらっと並んでいたので手に取ってしまった。そんな簡単なことあるかい、と思いながらとりあえず目次の17個の項目を読んだら、まんまと惹かれてしまった。
なぜかというと、どれもこれも私自身が日頃から少し気になっていた項目だったから。そして「自分って本当に20代なんだな」っていうことを痛感したからだ。
普通に幸せな学生時代を過ごし、4年制大学を卒業後、就職。会社員として3年間勤めた20代ど真ん中。この本が狙っているターゲットにどんハマりしていて、面白くなってしまった。
そして読み終えた今、この本を読んで一番思うことは「20代でいかに自分のことを知ることができるのか」が大切、ということ。
好きなことや嫌いなこと、自分のルーツ、趣味、やりたいこと、目標、家族、ピンチ、恋愛、異文化、読書、仕事、色んなトピックから、結局「自分はどういう人間なのか」を知ることが、この後の人生を生きる上ですごく大事になるんだと思った。
私は自分のことを知らないと思った。「こういう人間だから」と会話の中で誰かに言うことはあっても、自分自身と向き合った結果か?と思うとそうではない。
何が好きで、何が嫌いか。それくらいの表面的なことはわかるけど、人生観という深いところまでは向き合っていないし、わからないことがたくさんあるなと思った。
経験が足りていないのかもしれないし、自分と向き合う時間が不足していたのかもしれない。
【本】#15 『音楽ライターになろう!』
『音楽ライターになろう!』
(著者:妹尾みえ)
音楽ライターを志している者として、最高に面白い一冊だった。一言一句、めちゃくちゃリアルで全く説教くさくなく、「そうだよな」と腑に落ちる。そして自分の足りないところがどんどん浮き彫りになって、今すぐに改善したくなる。
読み手の行動を変えられるような一冊。
読んでいてなぜかワクワクが止まらなかった。もっとこうしたい!こうなりたい!そんなふうに心から思える。
【本】#13『伝え方が9割』
『伝え方が9割』
(著者:佐々木圭一)
この本を読んだ後に、感想を書くのはちょっぴり緊張する。それくらい色んな「伝え方」のレシピが書いてある。
この本は大きく分けて3章仕立てになっている。
1章は「伝え方にも技術があった!」
2章は「ノー」を「イエス」に変える技術
3章は「強いコトバ」をつくる技術
個人的には3章が一番面白かった。
なぜなら、情報過多の現代、ほとんどの情報がスキップされる中で「強いコトバ」を扱えるのはすごく大切なことだと思ったし、今自分が欲していることだったから。
中には無意識的にできていたけど「なるほど、こういうことだったのか!」と自分ができることを認識できたし「ん〜、これが今の自分に足りていないな」と吸収することもできた。
読む時期、環境によって見方が変わる本かも。
面白かった。
【本】#12『エッセンシャル思考』
『エッセンシャル思考』
(著者:グレッグ・マキューン)
かんき出版
この本は2022年に読んだ本の中でダントツ、面白かった。
「自分の悪いところを言われたようで聞くのが辛いこと」を「耳が痛い」というが、耳どころか心も脳も痛むようにビシバシと言葉が刺さった。
「エッセンシャル思考は、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるためのものである」という端的な結論から本は始まる。
本質を見極めることがいかに重要か、よくわかる本だ。
私は昔から予定を詰め込む癖があった。
移動時間は実際の何倍も短く計算して「これくらいで移動できるだろう」と見積もっては失敗し、睡眠時間が短いことを自慢し、やることが多いことをさも美徳だと思い込んでドヤ顔でバタバタしていた。
「いつも忙しそうだよね」は褒め言葉として捉え、カオスな脳内でさえ見てみぬふりをしていた。典型的な「多忙自慢」が板についていた。
それがいかに、結果として遠回りなものか、この本を読むとよくわかる。本質や大事なことがわからなくなり、不要なことにも時間を割き、私の人生の成長速度を落としていることに気づいたのだ。
でも、このタイミングでこの本に出会えてよかったと思った。すごく自分の生活や考え方を見直すいいきっかけになったし、頭が混沌とした時には何度も読み返して、今の生活において大事なことは何か?と優先事項を見つめ直せる。
この本が全てではないけれど、自分の考えや信念も大事だけれど、自分の生活や職場や環境の見方も変わる最強の本だ。